ネクタイピン、正しく付けられていますか?
ネクタイピンは、ネクタイのズレを防ぐだけでなく、清潔感やおしゃれな印象を与えてくれるスーツスタイルの必須アイテムです。しかし、位置や付け方を間違えると「残念な印象」になってしまうことも。
この記事では、紳士服バイヤーがネクタイピンの正しい位置・付け方・避けるべきNG例を徹底解説します。これを読めば、あなたも今日から“ネクタイピンマスター”になれるはずです。
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高木渉 / Wataru Takaki
メンズファッションのスペシャリスト・バイヤー服飾職人として修行後、有名テーラーの販売員として全国売上No.1を獲得。その後はスーパーバイザー・マーチャンダイザー・バイヤーとして経験を積み、現在は独立して経営者として活躍。現場視点を活かしたリアルなメンズファッション提案を得意とする。

ハナ /
ファッションアドバイザー・元メンズブランド販売員有名テーラーでの販売員を経験。その経験を生かし、多くのブランドを徹底比較し、各商品の良さを発信している。トレンドや、女性から見た「男性のかっこよさ」も交えてお伝えしていきます。
ネクタイピンの正しい位置
スーツジャケット着用時(ボタンを留めている場合)
ネクタイピンを付ける位置は、ネクタイの長さの下から2/3以内が基本です。
特におすすめなのは、下部2/3の範囲内でもやや上の位置。ここに付けることでネクタイピンがよく見え、ファッション性も高まります。おしゃれに敏感な男性の間では、この「上目の位置」がトレンドです。
逆に、上1/3の範囲に付けるのはNG。ネクタイの立体感が失われ、窮屈で不格好な印象になります。
ネクタイピンを目立たせたい場合は、下部2/3範囲のなかでも上目の位置につけるといいでしょう。質の良いネクタイピンを上目の位置に持ってくることで全体のファッション性も向上することから、オシャレ紳士たちの間では上目の位置がトレンドになっています。

スーツジャケット着用時(ボタンを留めている状態)
ネクタイがすべて見えている場合(ジャケットを脱いだ時など)
ジャケットを脱いだり、ボタンを開けてシャツ姿になった場合も、ネクタイピンの基本の位置は同じです。
ただし、見た目や機能面を考えるなら少し下目に付けるのがおすすめ。下目に着けることで、見た目のバランスも良く、前かがみになった際にネクタイがだらりと垂れるのを防ぎ、実用性が高まります。

ネクタイが全部見えている場合
ネクタイピンの正しい付け方とNG例
1. 必ずネクタイとシャツを一緒に挟む
ネクタイピンは必ずシャツとネクタイを一緒に挟んで固定します。
タイだけを挟むと安定せず、ブラブラ揺れて不格好。きちんと固定することで清潔感のある印象を保てます。
しなやかなネクタイの場合は、少し浮かせて留めることで立体感が出て、Vゾーンが美しく見えます。

2. 真っ直ぐに留める
ネクタイピンは水平に付けるのが基本です。
斜めにするとだらしなく見えるうえ、外れやすくなります。特にビジネスシーンでは「清潔感」が第一。傾いていないか定期的にチェックしましょう。
一方で、アパレル業界やデザイナーの間では「左上がりの斜め付け」がトレンドとして使われることも。ただし、これはあくまでファッション業界限定の遊び方であり、一般的なビジネスシーンでは避けるべきです。
定期的に傾いていないかよく確認することをオススメします。装いに気を遣うことができなければ、どんなに頑張っても信頼を得られることができない場合がありますので気をつけたいポイントですね。(最低限の身だしなみができている会社としか取引をしない企業もあります)
ただ、一部のトレンドとして “左上がりの斜め付け” があります。この付け方は、アパレル関係やデザイナーの方があえてやっている付け方として知られてしますが、通常のビジネスシーンでは避けたほうがよいでしょう。

3. 個性的なネクタイピンはアリ?
「派手なデザインやユニークなネクタイピンはNGですか?」という質問をよくいただきます。
答えは 「OK」 です。
スーツスタイルはルールが多いですが、ネクタイピンは遊び心が許される数少ないアイテム。胸元に個性的なネクタイピンを取り入れることで、会話のきっかけになったり、初対面でも場を和ませたりできます。
ただし、TPOを意識するのが鉄則。ビジネスではシンプルで上品なデザインを、パーティーやカジュアルな場では少し遊び心のあるものを選ぶと好印象です。
まとめ|ネクタイピンは位置と付け方で印象が変わる
- 基本の位置は ネクタイ下から2/3以内
- ジャケットありでもなしでも位置は同じ、ただし下目は実用性◎
- 必ずシャツと一緒に挟み、水平に留める
- ビジネスではシンプル、オフでは個性派もOK
ネクタイピンは、位置や付け方を間違えるとマイナス印象になりますが、正しく使えば清潔感とおしゃれを両立できる便利なアイテムです。ぜひシーンに合わせて活用し、スーツスタイルを格上げしてください。